ブルガリア気鋭の新進女流画家が描くモダンアートとイコンの世界

ブルガリア新進気鋭の女流画家:アレキサンドラ・チェレビースカ

1977年1月26日ソフィア生まれ。

1996年にソフィアの工芸デザインニコライ・ライノフ博士専門高等学校卒業。早くからその才能に注目され、高等学校在学中から油絵、デッサン、イコン等様々な展示会に参加。同時にフランス、イタリア、ドイツ、日本のコレクターの依頼で肖像画及び風景画を製作。またスモリャン地方スタルツェヴォ村の教会、そしてソフィアの聖母マリア教会の依頼で祭壇イコン画を製作。

1996年~2002年、ソフィア国立芸術アカデミー、グラフィックアーツ学部、製本版画学科、ヴラディスラフ・パスカアレフ博士の指導の下で修士課程修了。俊才を排出する芸術アカデミーの中でも、個性的でオリジナリティに溢れる作品と情熱を持った彼女の創作姿勢は抜きん出ており、国連主催の「ブルガリアの未来」展、芸術アカデミー主催「希望」展、ロシア文化センター主催「イコン」展等に参加し高い評価を得た。また卒業制作作品が芸術アカデミーの常設展示品にも選ばれた。

2002年芸術アカデミー卒業後はデザイン・出版業界で活躍。

現在は画家として、多くの絵や本に囲まれた少女時代の思い出を繊細でロマンティックなタッチや独特の色彩で油絵やアクリル画に表現している。

ブルガリアの新進気鋭の女流画家・アレキサンドラ・チェレビースカは今後の益々の活躍が期待されている。


アレキサンドラ・チェレビースカ:インタヴュー

●生い立ちについてお話下さい

私はブルガリアの首都ソフィアで生まれ、育ちました。ソフィアは自然豊かな高原の都市で清涼な空気の中、両親の知己が頻繁に訪れ、大きな家では動物もたくさん飼っていたのでとても賑やかで楽しい少女時代を送りました。母は歴史学者で今も現役で教えています。父は経済学者でしたが一昨年亡くなりました。いつも陽気で明るく、私を支えてくれていた父の死は今までの人生の中でもっとも悲しく辛いことで、今でも父がいなくなったことを受け止められずにいます。

両親は私が小さい時からお芝居、映画、展示会、オペレッタなどあらゆる芸術に触れさせてくれました。それも子供向けのものだけではなく、大人の芸術も積極的に見せてくれ、それによってわからないけれどイマジネーションが膨らみ、のちの色彩豊かで不可思議な私の絵の表現のもとになったような気がします。

●絵画制作の上で影響を受けた人や物事はありますか

影響を受けた人たちはたくさんいますが、やはり絵画の先生方です。私は本当に素晴らしい先生達に恵まれました。ベンディ、イヴァン・ゴンゴロフ博士、ヴラディスラフ・パスカレフ博士、トドル・ヴァルジエフ博士、カラパウノフ博士、ニキ・アレクシエフ助教授など著名な先生方から教えを受けました。

展示会や芝居、映画などが私の趣味で、そこからもインスピレーションを得ますが、もっとも好きなことは読書です。好きな本を読むことで、日常から解き放たれ、ものの見方も変わり、魂の栄養にもなると思います。たとえばガルシア・マルケスを読んだあとはいつもインスピレーションがふつふつと湧き上がり、感性が研ぎ澄まされた絵を描くことが出来るのです。

●どのような気持で絵を描いていますか

私にとって想像力は「自由」と同義語です。アートは条件やルールによって縛られないし、アーティストはあらゆることから「自由」に自分の感情や考えを作品に表現するべきなのです。私のモットーを言えば「アートはまさに心・魂そのもの」です。作品には裸の、なにものにも装飾されない生の魂が表れるべきなのです。

●大切にしている物事はなんですか

今まででもっとも幸せな出来事は娘の誕生で、もちろんもっとも大切にしているのは娘のマルタです。彼女は私に新たな生きがいを与えてくれたし、マルタの眼を通して世界を再発見できることはとても幸せなことです。

●一番気に入っている自分の作品はどれですか。また好きな絵や画家を教えてください

私の作品はすべて私の生の感情・魂から生まれたものですから特に一番気に入っているというものはありません。

好きな絵と画家は・・・。絵は神様が描いた自然、画家は神様です。この世の惨い現実の中でも、神がお創りになった美しい自然の中にも、コンポジションや色彩、変わった遠近法などを見つけることが私は大好きです。